住宅宿泊事業届出のポイント 事前準備編
住宅宿泊事業の届出に関して、質問を受ける機会が多くなってきました。
届出のポイントを少しずつ解説していきます。
今回は事前準備についてです。
チェックポイント
目次
住宅であること、設備があること、居住要件を満たしていること
店舗や事務所は、住宅ではありません。
相談をお受けする際に、図面を確認させて頂くと、
洗面所、台所がないケースがありますので、確認が必要な部分です。
浴槽がなく、シャワーのみは、浴室となります。
居住要件に関しまして、添付資料が必要となります。
各自治体によって、添付資料が異なる場合があるため、注意が必要です。
ご自分は、下記(1)、(2)、(3)のどれにあたるかを、事前に確認してみてください。
「住宅」とは
住宅宿泊事業を実施することができる「住宅」は、設備要件と居住要件を満たしていることが必要です。
設備要件とは
◆必要な設備
届出を行う住宅には、次の4つの設備が設けられている必要があります。
「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」
◆設置場所
必ずしも1棟の建物内に設けられている必要はありません。
同一の敷地内の建物について一体的に使用する権限があり、各建物に設けられた設備がそれぞれ使用可能な状態であれば、これら複数棟の建物を一の「住宅」として届け出ることが可能です。
◆公衆浴場等による代替の可否
これらの設備は、届出住宅に設けられている必要があり、届出の対象に含まれていない近隣の公衆浴場等を浴室等として代替することはできません。
◆設備の機能
- これらの設備は、必ずしも独立しているものである必要はなく、一つの設備に複数の機能があるユニットバス等も認められます。
- また、これらの設備は、一般的に求められる機能を有していれば足ります。例えば、浴室については、浴槽が無くてもシャワーがあれば足り、便所については和式・洋式は問いません。
居住要件とは
◆対象となる家屋
届出を行う住宅は、次のいずれかに該当する家屋である必要があります。
(1)「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
(2)「入居者の募集が行われている家屋」
(3)「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」
(1)「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」の考え方
- 「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」とは、現に特定の者の生活が継続して営まれている家屋です。「生活が継続して営まれている」とは、短期的に当該家屋を使用する場合は該当しません。
(2)「入居者の募集が行われている家屋」の考え方
- 「入居者の募集が行われている家屋」とは、住宅宿泊事業を行っている間、分譲(売却)又は賃貸の形態で、居住用住宅として入居者の募集が行われている家屋です。
ただし、広告において故意に不利な取引条件を事実に反して記載している等、入居者募集の意図がないことが明らかである場合は、「入居者の募集が行われている家屋」とは認められません。
(3)「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」の考え方
- 「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」とは、生活の本拠としては使用されていないものの、その所有者等により随時居住利用されている家屋です。
- 当該家屋は、既存の家屋において、その所有者等が使用の権限を有しており、少なくとも年1回以上は使用している家屋であり、居住といえる使用履歴が一切ない民泊専用の新築投資用マンションは、これには該当しません。
(随時居住の用に供されている家屋の具体例)
- 別荘等季節に応じて年数回程度利用している家屋
- 休日のみ生活しているセカンドハウス
- 転勤により一時的に生活の本拠を移しているものの、将来的に再度居住するために所有している空き家
- 相続により所有しているが、現在は常時居住しておらず、将来的に居住することを予定している空き家
- 生活の本拠ではないが、別宅として使用している古民家